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価格が高い自転車と安い自転車の性能の違い

折りたたみ自転車に限らず、自転車の価格は、ピンからキリまであります。

ママチャリ(シティサイクル、シティ車、軽快車)だけでも、1万円前後から5万円ほどのものまであります。

スポーツ自転車などの価格が高い高級自転車の場合は、100万円以上する自転車もあります。

これら自転車の値段の違いは、「部品(パーツ)の違い」です。

自転車は部品の集まり

そもそも、自転車は多くの部品で構成されています。

フレーム、ハンドル、サドル、ペダル、ギア、チェーン、タイヤ などなど…

それぞれの部品はさらに細かく構成されています。

これら部品の品質がいいと、自転車の性能も高くなり、そのぶん自転車の価格も高くなります。

では、部品の品質が自転車の性能に、どのように影響するのでしょうか?

それは、「ペダルをこぐ力」をより効率的に「走る力」に変えられるようになるのです。

そもそも、自転車は「ペダルをこぐ力」を「走る力」に変える乗り物です。

ペダルをこぐと、それぞれの部品がそれぞれの役割を果たして、「ペダルをこぐ力」を「走る力」に変えます。

それら各部品の中でも、特に「走る力」に大きな影響を与える部品が、「フレーム」と「タイヤ」です。

フレーム

フレームとは自転車の骨組みのことで、自転車の骨格になります。

フレームは乗る人の体重を支えるという、最も基本で最も大切な役割を果たしています。

しかし、他にも大切な役割があります。それは「各部品の動きを支える」という役割です。

そもそも、「ペダルをこぐ力」がどのように「走る力」に変わるかというと、

ペダルをこぐ → ペダル側のギアが回転する → チェーンを引っ張る → 後輪(後ろのタイヤ)が回転する → 自転車が進む

このようにして、「ペダルをこぐ力」が「走る力」に変わります。

このとき、それぞれの部品の動作は、すべてフレームに負担をかけています。

ペダルをこぐときも、ギアが回転するときも、チェーンを引っ張るときも、タイヤが回転するときも、すべてフレームには力が加わります。

ですので、フレームが弱いとこれらすべての動作を支えきれないために、それぞれの動作が完全に機能せず、少しずつ力が逃げていき、「ペダルをこぐ力」をかなり無駄に消耗して「走る力」へと変換します。

すると、ペダルのこぎ出しが重く、あまり進まずスピードも出にくい、疲れやすい自転車となってしまいます。

ホームセンターなどで売られている1万円ほどの自転車は、安全上は問題ないかもしれませんが、「走ればいい」程度のものが多く、フレームの強度は弱いことが一般的です。

「フレームの強度が弱い」といっても、すぐに壊れるということではなく、「ペダルをこぐ力をしっかりと伝えられない」ということです。

また、折りたたみ自転車は折りたたみ部分の強度も走りに影響します。折りたたみ部分の強度は安全面はもちろん、走行性能にも影響します。折りたたみ自転車の場合は、1万円台などの2万円を切るような価格のものは、フレームや折りたたみ部分の強度が弱い可能性が高いです。即刻危険ということはないかもしれませんが、少なくとも「ペダルをこぐ力」は逃げてしまい、走りにくいと思います。

これらの自転車は、「ペダルが重くて疲れやすい自転車」になってしまいます。

しかし、フレームの作りが頑丈で強度が強ければ、ペダルをこいだときのそれぞれの部品の動作をフレームがしっかりと支えて、「ペダルをこぐ力」を無駄なく「走る力」に変えてくれます。

すると、ペダルのこぎ出しが軽く、どんどん進んでスピードも出て、疲れにくい自転車となります。

おもに自転車屋で売っている3万円以上はするメーカー製のママチャリならば、まず間違いなくフレームの強度は強いと思っていいでしょう。

折りたたみ自転車の場合は、フレームと折りたたみ部分の強度が強いと「ペダルをこぐ力」を逃がさず、走りやすくなります。メーカー製や信頼のあるブランドの折りたたみ自転車は、フレームと折りたたみ部分の強度は強いと思っていいでしょう。

フレームに一定以上の強度があれば、走りの無駄が軽減され、軽く走れるようになります。

このように自転車のフレームは、安全性にとっても、走行性能にとっても、重要な役割を果たしています。

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タイヤ/車輪(ホイール)

タイヤは中心部分を軸(じく)にして回転します。

このとき、タイヤの品質が悪く、中心部分(ハブ)にある回転軸(シャフト)で摩擦(まさつ)が多く発生すると、タイヤが回転してもあまり長い間まわりません。また、タイヤを回すのにも余分な力が必要になります。

すると、ペダルをこぎ出すときに余計な力が必要になり、加速しにくく、ある程度の速度が出たとしても、その速度を維持することも大変になります。

しかし、タイヤの品質が良くて回転軸の摩擦が少ないと、軽い力でタイヤを回せて、一度まわれば長い間タイヤはまわり続けます。

すると、ペダルのこぎ出しが軽く、加速がしやすく、速い速度を維持するのが楽になります。

また、タイヤの品質がいいと、ゆっくり走っているときにもフラフラしにくくなります

これはタイヤがとてもスムーズに回転するためで、これにより遅い速度で走っている時も、まっすぐで安定した走りをしやすくなります。このため、走り始めもふらつきにくくなります

1万円ほどの安い自転車よりも、信頼できるブランドの自転車のほうが、タイヤも高品質で走行性能も高くなります。これはママチャリや折りたたみ自転車など、すべての自転車にいえることです。

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以上が、部品の品質が自転車の走りに与える影響です。

部品の品質がいいと、走りの性能もよくなります。部品が精巧に作られていると、「ペダルをこぐ力」を無駄なく効率的に「走る力」に変えます。

他の部品も自転車の走りや乗り心地に影響を与えますが、なかでも影響が大きいのはフレームとタイヤの二つの部品です。

車種による性能の違い

なお、単に「部品の性能がいいと走りもよくなる」といっても、もちろん程度の違いはあります。

自転車の「走りの性能」という点で最も性能がいいのは、アスファルトなどの舗装路(オンロード)を走る「ロードバイク(ロードレーサー)」や、山道などの荒れた未舗装路(オフロード)を走る「MTB(マウンテンバイク)」などの本格的なスポーツ自転車です。

次に走りの性能がいいのは、「クロスバイク(シティバイク)」などと呼ばれる入門用スポーツ自転車(エントリーモデルのスポーツ自転車)です。

その次が、価格が高くて性能がいいママチャリ(3万円以上が一般的)で、価格が安くて性能も低いママチャリ(1万円ほどが一般的)と続きます。

一般的に、同じママチャリでも、1万円ほどのママチャリと、3万円ほどのメーカー製のママチャリとでは、部品の質が違います。

ママチャリは、どれも同じに見えるかもしれませんが、中身(部品)が違います

上の「フレーム」と「タイヤ」の項目で書いたように、部品の質が自転車に与える影響は、とても大きなものです。

一般的に1万円ほどのママチャリは、使われている部品の質が悪いので、走りの性能が悪くて疲れやすく、ブレーキの音が「キキーッ」と鳴ってうるさかったり、耐久性もないことがほとんどです。

一方、一般的に3万円ほどのメーカー製のママチャリは、部品の質が良いので、走りの性能も良くて疲れにくく、ブレーキもしっかり利いて、耐久性もあります。

メーカー製の自転車の中では、3万円ほどのママチャリは安いほうですが、それでもメーカー製の自転車ならば、おそらくこういった性能の違いは実感できると思います。

メーカー製のママチャリの中には、さらに価格が高い5万円以上するものもあります。この価格帯は、ママチャリの中では最高級といっていい価格帯です。

こういう自転車は一般的に、より部品の質が高かったり、変速機の段数が多かったりと、走りの性能がさらに良くなっています。

スポーツ自転車(高級自転車)の性能がいい理由

スポーツ自転車は、フレーム(車体の骨組み)やタイヤなど各部品の品質がさらに高くなり、ペダルをこぐ力がいっそう効率的に伝わるため、軽い力で走れてスピードも速くなります。

さらに、使われる部品がそれぞれ軽量化されて自転車そのものも軽量になるので、軽く速く走れるようになります。

フレーム(車体の骨組み)

スポーツ自転車のフレームは、↑上記の「フレーム」の項目にあるように強度も大切ですが、軽さも求められます。

フレームを軽量化するには、フレームの素材にアルミやカーボン(炭素素材)などの軽量な素材を使用します。しかし、「ペダルをこぐ力」を逃がさずにしっかりと走るために、フレームの強度は一定以上の強度にしなければいけません。

軽量で強度も強いフレーム。これにより、ペダルをこぐ力を効率的に走りに変えて、軽い力でペダルをこげて速く走れるわけです。

なお、一般的に構造物は軽量化すると強度は弱くなります。それを軽量化しながら強度は一定以上に保つことには、高い技術と、軽量で強度が強い材料が必要です。

このことから、軽量化されたスポーツ自転車は価格が高いわけです。

ちなみに、軽量なスポーツ自転車なのに、とても価格が安いものもあります。こういった自転車(おもにスポーツ自転車)の中には、強度が低くスピードが出ないものもあります。上でも述べたように、自転車は軽くても一定以上の強度がなければ、「ペダルをこぐ力」がたくさん逃げてしまい、走りにくくあまり進まなくなります。軽量で安い自転車が全てそうではないと思いますが、すごく軽いのにやたらと価格が安い場合は気をつけましょう。

タイヤ/車輪(ホイール)

スポーツ自転車のタイヤは、↑上記の「タイヤ/車輪(ホイール)」の項目にあるようにタイヤの回転軸の摩擦を減らしていますが、さらに回転軸の精度を高めて、限界まで回転軸の摩擦を減らす工夫をしています。こうすることで、さらに少しの力でペダルをこげるようになり、加速もしやすく、一度走り出したらペダルをこがなくてもなかなか止まらないなど、走行性能を高めています。

そして、タイヤも軽量化します。これにより、車体の軽量化に貢献します。

自転車に乗っている人の体重は、タイヤの回転軸にかかります。だから回転軸の強度を強くしなければいけません。回転軸を一定の強度に保ちながらも、摩擦を減らしてスムーズに回転させて、さらにタイヤの軽量化も行います。

これには、軽量な素材と、強度を維持しながら軽量化してスムーズに回転させるための高い技術力が必要です。

このことも、スポーツ自転車が高額な理由のひとつです。

駆動系の部品(コンポーネント)

自転車が走るには、「ペダルをこぐ → ペダル側のギアが回転する → チェーンを引っ張る → 後輪(後ろのタイヤ)が回転する → 自転車が走る」というように、各部品が連動することで自転車は走ります。

「ペダル」から「タイヤの回転軸(ハブ)」までの「ペダルをこぐ力(動力)」を伝えて「走り」に変える一連の部品(駆動系の部品)のことを「コンポーネント(コンポ)」や「ドライブトレイン」などといいます。

具体的には、「ペダル、クランク(ペダルとギアをつなぐ部品)、ギア、ボトムブラケット(ペダル側のギアの回転軸。BB)、変速機、チェーン、ハブ(タイヤの回転軸)、ブレーキ」などをいいます。

これら駆動系の部品をさらに精巧な作りにして精度を上げて、「ペダルをこぐ力」がいっそう効率的に伝わるようにすることで、より軽く速く走れるようになります。

さらに、これら駆動系の部品も、一定の強度を維持しつつ軽量化します。これにより「ペダルをこぐ力」の伝わりやすさを落とさずに、車体の軽量化に貢献します。

駆動系の部品の質は、フレームやタイヤの質に比べると、走りに与える影響はあまり大きくありません。

しかしスポーツ自転車は、少しでも走行性能を向上させるために、駆動系の部品の質も向上させます。

軽量化についても、駆動系の部品を軽量化しても車体の軽量化にはさほど貢献しませんが、スポーツ自転車は少しでも軽量化するために駆動系の部品も軽量化します。

軽量化のメリット(効果)

ここまで記したように、スポーツ自転車は軽量化のために多くの工夫をしていますが、そもそも自転車を軽量化する理由は何なのでしょうか?

それは、速く走るためです。

そもそも自転車は、軽いほど「走り出し、加速、減速、カーブ、坂を上る」といったことが少ない力(パワー、エネルギー)でできるので、走ること全般が楽になります。

特に上り坂(登り坂)では、自転車の軽さが大きな効果となって現れます。

ママチャリでも、前カゴに荷物があるのとないのとでは、走りやすさが違います。体重が重い人と軽い人でも自転車の走りやすさは違います。体重に関していうと、重い人のほうが動くこと自体に多くのエネルギーを必要とします。自転車の重さについても、同じことが言えます。

このように自転車は、軽いほど楽に走れます。そして少ない力で走れるということは、ペダルが軽くなり、スピードを出しやすくなるということです。

そのため、速く走ることを目的に作られたスポーツ自転車は、軽量化に努力するわけです。

スポーツ自転車は、泥よけや前カゴなどの「走るために直接必要のない部品」を取り付けず、フレームやタイヤなどの大きな部品を軽量化し、さらに、駆動系の部品であるギアやチェーンなどの小さな部品も軽量化します。

速く走るほど、長距離を走るほど、これら少しの軽さの違いが、効果的な違いとなって現れます。

なお、これまでも述べたように、自転車はただ軽くても一定以上の強度がないと「ペダルをこぐ力」が逃げてしまい、速く走れません。

スポーツ自転車はたくさんの部品を一定以上の強度に保ちつつ、軽量化するという高度な技術を駆使しているため、価格が高くなるのです。

街乗り装備

このようにスポーツ自転車は、部品の精度を高めて、軽量化することで走行性能を向上させています。

そして軽量化のために、ママチャリでは当たり前の「日常の使用に便利な装備」を、取り付けていないことが一般的です。

荷物を入れる「前カゴ(バスケット)」、泥はねを防ぐ「泥よけ(フェンダー、マッドガード)」、チェーンがズボンの裾(すそ)を汚すことを防ぐ「チェーンカバー(チェーンケース)」、駐輪(駐車)するときに自転車が倒れないように支える「スタンド」、タイヤの回転で発電して点灯する電池不要の「ダイナモライト」など。

スポーツ自転車は、これら「日常の使用に便利な装備」を取り付けていないことが多いです。

もちろん、スポーツ自転車でもこれらの装備に近い働きをするものが最初からついていたり、後からつけることもできますが、スポーツ自転車は軽量化と見た目のために、これらの装備をまったくつけないか、一部だけつけるのが一般的です。

スポーツ自転車に乗るようになると、とても速く軽く走れることに感動する反面、ママチャリのような便利さがないことにも気づくと思います。

スポーツ自転車を完全な街乗り装備にすることは、装備の規格が合わず取り付けられないなど、まずできません。

スポーツ自転車でも街乗り装備に近づけたいという場合は、街乗り装備の中でも「最低でもこれだけは取り付けたい」という装備を限定するなどして、そういった装備を取り付けられる自転車を選ぶといいでしょう。

自転車選びの参考に

今まで1万円ほどのママチャリに乗っていた方は、3万円〜5万円ほどのメーカー製のママチャリや、5万円ほどのクロスバイク(入門用・初心者用スポーツ自転車)、3万円〜4万円ほどの折りたたみ自転車などでも、それまでの自転車との走りの違いを実感できると思います。

それほど、部品が自転車に与える影響は大きいものです。

店選びも大切

なお、自転車は工場で製造した時点では、まだ未完成です。それを販売店が組み立てて、ギアやタイヤやブレーキなどの調整をして乗れる状態になります。

販売店のスタッフの腕が悪いと、自転車にも影響します。ブレーキのききが悪かったり、変速機がうまく切り替わらなかったりするおそれもあります。

つまり、自転車選びは販売店選びも大切なのです。自転車はどこで買っても同じではありません。これはネットで自転車を購入するときも同じです。ちゃんとした自転車のネットショップもあるので、きちんと組み立てて調整をしてから販売する店を選びましょう。

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